こんにちわ。盛岡在住ブロガーのけんくん(@kenkun_blog)です。

先日、岩手県奥州市で行われた「黒石寺蘇民祭」を見物してきました。
経緯は、職場の同僚が突然祭りへの参加を表明したためです。当日仲間を集い、急遽応援へ行くことにしました。
黒石寺蘇民祭といえば裸祭りの中でも全国的に有名です。
参加する側の記事はよく見ますが、見る側の記事は少ないです。当記事では見る側の視点でお祭りの楽しみ方を紹介します。
- 黒石寺蘇民祭の概要が分かる
- 黒石寺蘇民祭を見に行く場合のコツやポイントが分かる
当記事は蘇民祭をはじめて見に行く方の参考になります。
興味がある方はご一読ください。
【黒石寺蘇民祭】概要
蘇民祭(そみんさい)は、岩手県を中心に日本各地に伝わる裸祭りである。1000年以上の歴史を持つと言われる。岩手県内では毎年1月から3月にかけて複数の蘇民祭が行われ、岩手の蘇民祭の名称で国の選択無形民俗文化財として選択されている。その中で最も著名なものは日本三大奇祭ないし日本三大裸祭りの一つに数えられることもある奥州市の黒石寺蘇民祭である。
出典:Wikipedia
日時
2020年1月31日(金)PM10:00~翌早暁(7時頃まで)
※旧暦正月7~8日
場所
場所 | 黒石寺(こくせきじ) |
住所 | 〒023-0101 岩手県奥州市水沢黒石町山内17 |
電話 | 0197-26-4168 |
黒石寺は、岩手県奥州市水沢黒石町山内にある天台宗の寺院。「くろいしでら」と読まれることも多い。山号は妙見山。本尊は薬師如来坐像。 重要文化財で平安時代初期の在銘像である木造薬師如来坐像や、選択無形民俗文化財の黒石寺蘇民祭で知られる。
出典:Wikipedia
アクセス
バス | 黒石寺⇔水沢駅・水沢江刺駅 片道500円 |
車 | 臨時駐車場あり(午後7時から利用可) |
※詳しくは主催者ホームページをご覧ください。
実施内容
主に5つの行事があります。それぞれについて紹介します。
- 裸参り
- 柴燈木登(ひたきのぼり)
- 別当登(べっとうのぼり)
- 鬼子登(おにごのぼり)
- 蘇民袋争奪戦
裸参り
厄年連中、一般祈願者が角燈をもち、瑠璃壺川(山内川)で身を浄め、「ジャッソウ、ジョヤサ」の掛け声で、薬師堂、妙味堂を巡り、五穀豊穣、厄災消除を祈願します。
柴燈木登(ひたきのぼり)
鐘の合図で行列をつくり腰をかかがめて、「イヨーイヨー」の掛け声で、柴、たきつけ、ごま穀、塩を持って進む。本堂前に生松割木を井桁に積み上げ火をつける。若者たちは裸になり柴燈木登の上に登って火の粉を浴びながら山内節をうたい気勢をあげる。
別当登(べっとうのぼり)
別当(住職)並びに蘇民袋を捧げ持った総代が檀家等に守られ、ホラ貝、太鼓等を従えて進む。薬師堂にのぼると護摩をたいて厄払いと五穀豊穣を加持祈祷する。
鬼子登(おにごのぼり)
檀家のものは、素裸水垢離をとり身を浄める。鬼子は数え7歳男子2名で、麻衣をつけ鬼面を逆さに背負い檀家のものにおぶさり薬師堂にのぼる。
蘇民袋争奪戦
将軍木(かつのき)で作った小間木(蘇民将来護符)を入れた麻袋を首領の首に見立てて、裸の若者が奪いあいする。小間木や麻袋の切りさかれたものを持っている者は、厄災をまぬがれるといわれている。
【黒石寺蘇民祭】見に行く場合のコツやポイント
はじめて蘇民祭を見に行く場合、実際どんな雰囲気なのか気になります。公式Webには書かれてない情報もあるため、実際に見物した私の視点から気になることを書いてみます。
- 現地へのアクセス
- 祭りが長時間
- 飲食スポット
- 休憩スペース
- 祭り盛り上がりポイント
現地へのアクセス
バスで行く場合は本数が少なく、車で行く場合は駐車場が少ないです。
専用バスは便数が少ない
深夜の開催のためバスの本数が少ないです。片道500円で運行します。(以下は2020年の運行情報)
2020年01月31日(金) | 水沢江刺駅発 | 21:35(水沢駅22:00経由) |
2020年02月01日(土) | 黒石寺発 | 00:45(水沢駅行き) |
2020年02月01日(土) | 黒石寺発 | 06:45(水沢駅経由水沢江刺駅行き) |
車の臨時駐車場が少ない
車で行く場合は、早めの現地入りをおすすめします。
臨時駐車場が午後7時から利用できます。台数少なめのため、混雑時は離れた場所に誘導されます。
警察が交通整理するため路上駐車は厳禁です。
祭りを最初から見たい方、祭りに参加する方は早めの移動が必要です。
祭りが長時間
真冬の屋外で夜通し祭りが開催されるため眠気と寒気が辛いです。
午後10時から翌朝6時30分頃まで(8時間30分)の開催です。真冬の屋外は防寒対策が必須です。また徹夜のため午前3~4時はピークで眠いです。
防寒対策はスキー場に行く感覚で厚着必須です。タイツ、マフラー、手袋がおすすめです。
途中、柴燈木登(ひたきのぼり)で火が燃え続ける場所ができるので、そのまわりはとても温かいです。
眠気は我慢するしかありませんが、車で仮眠する方もいます。
飲食スポット
黒石寺入口付近に常設の食事処、お祭りの屋台(3軒)、臨時の蘇民食堂(写真)があります。
食事は精進潔斎(しょうじんけっさい)のもと肉や魚の提供がありません。飲み物はソフトドリンクの他、お酒の提供もあります。
食事はお蕎麦、うどん、おでんなどです。飲み物はビール、日本酒などが販売されてました。
価格は全体的に300~500円と良心的です。
※掲載写真は天ぷら蕎麦と日本酒(熱燗)です。
休憩スペース
参加者、見物客向けの休憩場が臨時開設されます。
休憩場といっても簡易的で、骨組みだけ建てて、ござを壁にかけた作りです。
暖房設備がないため、炭を暖房代わりとして使用します。(臨時の蘇民食堂も同じ作り)
祭り参加者向けの休憩所は各団体ごとに建てられており数があります。一般向けの休憩場は1つしかありませんでした。
おすすめは黒石寺入口付近の食事処です。休憩所ではないですが暖房完備の施設で快適です。飲食しながら休めます。
祭り盛り上がりポイント紹介
はじめて行く場合は全部見るべきですが、おすすめは以下の3つです。
- 裸参り
- 柴燈木登(ひたきのぼり)
- 蘇民袋争奪戦
【盛り上がりポイント】裸参り
参加者は角燈を持ち、「ジャッソウ、ジョヤサ」の掛け声で寺の周りを行進し、途中、川で水を頭からかぶります。これを全部で3回行います。
- 参加者はアドレナリン出まくりで激熱
- 3回周るのでいろんな角度から見物できる
初っ端から迫力満点。下帯一つの男衆は寒さを打ち消すように気勢をあげ、鬼のような形相で冷水を浴びます。見てる側も大興奮で、みなさんスマホや一眼レフで写真撮影していました。(テレビ局の取材も)
【盛り上がりポイント】柴燈木登(ひたきのぼり)
一番見ていては迫力あるのが柴燈木登(ひたきのぼり)です。
火のついた柴燈木登の上に参加者がよじ登り、「ジャッソウ、ジョヤサ」の掛け声で気勢を示します。ここは観衆含めてすごく盛り上がります。
火が強くなると煙で目がいなくなるほどで、途中意識を失い、担がれる参加者がいました。
上記の後は、柴燈木登の炎で木の棒を燃やし、それを持って薬師堂の階段を「イヨーイヨー」の掛け声で登ります。
最上段に待つ判定者(赤い頭巾の方)の前で火の棒をたたきつけ気合を示します。認められたものだけが薬師堂の奥へ入ることを許されます。
地元民からの叱咤激励もあり、伝統のお祭りという感じで興奮します。
【盛り上がりポイント】蘇民袋争奪戦
蘇民袋争奪戦は主に2つの物を奪い合います。
1つは蘇民袋です。
蘇民袋を切りさき、参加者が奪いあいます。(下は蘇民袋レプリカのお守り)
2つ目は小間木です。
蘇民袋の中には小間木と呼ばれる木片が入っており、これは一般参加者も持ち帰っていいものです。小間木は争奪戦の最中に代表者(壁に取りついてる人)によりバラまかれます。
運よく手に入れると厄除けのお守りになります。
1時間以上蘇民袋の争奪を行います。右へ左へ取り合いが続き、最終的には寺を出て近くの田んぼに移動し、そこで最終決着です。(この一連の流れはお約束)
最終判断は親方と呼ばれる一番偉い方が行います。蘇民袋の締め口を一番長く持っていたものが取主として認定されます。
争奪戦は観客も参加者のまわりに陣取って見ることができ、とても迫力満点です。
【黒石寺蘇民祭】まとめ
黒石寺蘇民祭について最後にまとめておきます。
- 臨時駐車場が少ないので早めの移動が必要
- 真冬の屋外は防寒対策必須
- 飲食スポットは数ヵ所あり
- 休憩スペースが少ない
- おすすめ行事は裸参り、柴燈木登(ひたきのぼり)、蘇民袋争奪戦
伝統的なお祭りです。時には怒号が飛び交い、一歩間違えば事故にもつながる危険も感じました。
参加する側、見る側ともに過酷な祭りですが、興味がある方は一度行ってみてはいかがでしょうか。
